どうすればいいか
どうすればいいか。
練習での目的を変更する
まず大切なのが、練習での目的を変更するということである。
緊張感を持たせたり、1回きりの局面での成功を目指すという練習が有効だ。
オススメの方法がある。
練習の最後に、1回だけ難しい技に挑戦する。やり直し禁止。
そして、その結果をノートに書いていく。
そして、1ヵ月くらい書き溜めたら、その技の成功率を計算してみる。
そうすると、その練習の最後にやる1回の挑戦の目的が「技を成功させたい」となる。
たった一回のチャンスで成功を求めると、当然難易度も高いわけだから、緊張する。
成功率の算出に影響するという点からも、緊張感が高まるだろう。
練習の目的の難易度を上げることが、緊張を生み、よい訓練となるだろう。
本番での目的を変更する
もう一つ大切なのが、本番での目的を変更することである。
勝利を目的としてしまうと達成が難しい目標となるので、緊張を生むだろう。
緊張すると、いつものパフォーマンスが出せない。
そこで、目的を達成可能なものにするのが有効だ。
「全力を出す」「試合中に成長する」「最後まであきらめずに立ち向かう」
など、実現が可能な目標にすると、緊張ではなくて、勇気が湧いてくるだろう。
漫画「SLUMDUNK」では、次のようなセリフが出てくる。
「技術も…気力も…体力も…持てるもの全てをこのコートにおいてこよう」
このセリフの妙味は、「おいてこよう」という部分にあると思う。「置く」という行為はとても簡単な行為で、誰もが簡単に成功率100%でできる行為である。
しかも、「置く」対象が、「持てるもの全て」である。持っているものを置くなんてとても簡単である(と感じる)。
つまり、安西監督は、試合では「勝つこと」に固執するのではなくて、「できることをやる」のに集中すべきということを選手に伝えたのだ。
言葉のチョイスが素晴らしいので、「できることをやろう」よりもさらに実行が簡単そうな「持てるもの全てをこのコートにおいてこよう」という言葉には、作者のセンスを感じる。
この言葉を聞いて、緊張してしまう人は少ないと思う。
やれることをやるぞという勇気が湧いてくるのではないだろうか。