真夜中のラブレターと依存症は似ている

スポンサーリンク

真夜中に書いたラブレターは、盛り上がって意味不明になってしまうから、一晩置いて冷静になって見直せ、と今読んでいる本に書いてあった。

ラブレターと日常の盛り上がってしまう局面の共通点を考えたり、依存症との共通点を考えてみた。

ラブレターと依存症、どちらも冷静になるためには「時間をおく」「別の作業をする」が肝心だ。

真夜中のラブレター

真夜中のラブレターというものがある。

夜中にラブレター(メールやメッセージでもいい)を書くと、どんどん熱が入って、異様な盛り上がりを見せて、意味不明なことを書いてしまう。狂気じみるのだ。

このラブレターを夜中にそのままポストに投函したり、メールなら送信してはいけない。

真夜中に書いたラブレターは一旦そのままにして、翌朝になって読み返すのだ。

いい部分と、おかしな暴走部分が見えてくるはずなのである。

できれば、文章のいい部分だけを残して手直しを加え、昼に投函なり送信した方がよさそうだ。

皆さんも経験があるはずだ。

似たようなケースは色々思い浮かぶ。

例えば、抗議文。怒りの文章だ。

抗議文、喧嘩

抗議文は、真夜中のラブレターと全く同じ原理で、書いている時は、どんどん熱が入って盛り上がってしまう。

相手のことを憎たらしく思い、自分の主張を通そうとしてしまう。

しかし、書くと満足してしまい、実際は提出をしないことがほとんどではないだろうか。

人は冷静と情熱のあいだを行ったり来たりする。

他にも喧嘩が真夜中のラブレターに似ている。

喧嘩していると、どうしてもその瞬間は、狂気じみてしまう。

相手をいい負かそうと躍起になってしまう。

そもそも喧嘩というのは、相手のことを考えず、「共感」という作業を放棄し、自己本位となり、相手を自分の思い通りにしたいという願望の現れなのだ。

しかし、時間が経つと、冷静になってきて、謝ることになる。そうすると、相手も謝罪してくることがほとんどだ。だいたいこの展開になる。

「私が悪かった」と相手が謝罪してくると、言い負かすという目的が達成されたから、これ以上の攻撃は行わないという考え方もあるだろう。それも正しそうだ。

しかし、私がここで言いたいのは、真夜中のラブレターと同じで、時間をおいて冷静になると、狂気じみた考え方が吹っ飛ぶということだ。

そう、狂気は時間をおいて冷静になると吹っ飛ぶのである。

派手な服を選んで後悔する

ところで、今日はどんな服を着ようかな、と家のクローゼットや鏡の前で服を選んでいる時に派手な服をチョイスしたんだけれども、家の玄関ドアの付近で「やっぱり恥ずかしい」と思い無難な服に変更したという経験はないだろうか?

誰もが一度や二度は経験があるはずだ。

これも、服を選んでいる時は情熱的になっていて(狂気じみていて)、玄関ドアに移動する間に冷静になったのだろう。

服を選んだ後に、バックの中を確認したり、腕時計をつけたりと、何らかの作業を挟むと冷静になるのかもしれない。

服というと、買う時に派手な服を買ってしまい、実際は着ないというのも同じ原理だろう。買う時は情熱的で狂気的なのだ。

冷静と情熱のあいだというのは、とても身近だ。

情熱は厄介だ。だいたいが悪い結果をまねく。うまく制御したい。

冷静になるためには「時間をおく」「別の作業をする」

怒りを鎮める方法として、「6秒カウント」というものが一時期流行った。怒ったら、まず6秒数えるという手法だ。

数え終わるまでにだいたいの怒りはなくなるらしい。

これも、時間をおくと怒りが吹っ飛ぶということだ。

それと、6秒数えるという「作業」をすることで、気がそっちに向くという効果もあるのだろう。

私も試してみたが、この方法は絶大な効果がある。

これを踏まえると、情熱と冷静のあいだを自在に行き来するには、「時間をおく」、「別の作業をする」というのがいいと考えられる。

お、これは、依存症の渇望にも使えるぞと思った。

好意の暴走:大好きな異性への溢れる気持ちを真夜中に書いていたら暴走してしまう。

怒りの暴走:相手のことが気に食わないから、論破したいと、怒りの炎が燃え広がってしまう。

脳内報酬系の暴走(行為依存):目の前にパチンコがあり、パチンコがやりたくなってしまう。

脳内報酬系の暴走(物質依存):目の前に酒があり、飲んでしまいたくなる。

全部似たようなもんだろう。抑制が効かなくなって暴走してしまうという点では。そして、どの例でも暴走を止めないと不利益を被る。

こういう時の対応は全て同じだ。冷静になればいい。

冷静になるためには「時間をおく」「別の作業をする」というのが答えなんだろう。

依存症において冷静に対応するために

依存症の治療の基本は、パチンコの前を通らないとか、居酒屋にいかないとか、危険を徹底的に回避する行動療法だ。

そして、念押しとして、緊急事態に何をするか決めておくという方法も指導される。

緊急事態というのは、痴漢の場合であれば、満員電車を回避していたのに、電車のダイヤの乱れなどで急遽満員電車になってしまい、「痴漢できそう」と思ってしまう状況などだ。その時に、事前に決めていたルールを徹底するのがよいと言われている。

例えば、自分の太ももをつねるとか、持ち歩いているタバスコを舐めるとか、腕時計を左右逆に付け替えるとか。もっと強力なものだと、防犯ブザーを持っていて、それを鳴らす(鳴らすと注目が集まり、痴漢ができなくなる)とか。

教わった時は、「そんなもんか」とただ納得しただけで、腑に落ちてはいなかった。

いまは腑に落ちている。人に自信をもって紹介できる感じ。

緊急事態に「作業」をして「時間を稼ぐ」ということなんだな。

情熱と冷静のあいだを自分の意思で行き来する工夫なんだな。

真夜中のラブレターと依存症は似ているな。

下記の本を参考にしております。ブログの文章の書き方から、読者の目線に立って文章を書くことの大切さも学べました。興味がある方はぜひご覧ください。

コメント