性犯罪者の性格とは?
まずは、上の図をご覧ください。
これは、出所受刑者のうち,性犯罪再犯ありの者(赤)となしの者(青)について,性格検査の得点分布を比較しています。
まずは、赤も青もどちらも右下の方に出っ張っていますね。
自信欠如、抑うつなどの得点が高いです。
また、左上にも突き出ています。
偏狭の得点が高いです。
これらの要素が性犯罪者に特徴的と考えていいと思います。
そして、ここがポイントですが、赤よりも、青のほうが少ない点数ですよね。図形的に言えば、青の方が赤よりも出っ張りが弱いですね。
つまり、自信欠如、抑うつ、偏狭といった性格を直していけるかが、再犯を予防する上で重要となってきます。
自信欠如
自信欠如は他人の評価を気にし,自分の能力や行動に自信を持てない傾向のことを言います。
他人の評価を気にしてしまうのは、ありのままの自分では受け入れられないのではないかという心理の表れでもあります。
これは、心理プログラム・認知行動療法を受講して考え方を変えていくのがいいと思います。
キーワードは「自分のあり方」だと思います。「~である自分」というのに重きを置くと、成功・結果に焦点が当たりますが、「自分のあり方」を重視すると、目標に向かっているプロセスに焦点が当たります。
そして、なによりも、「自分の人生は自分で評価する」という大切なことに気付くことができます。目標に向かうプロセスの途中で、「今日はよくできたな」「今日は後半よくなかったな」などと自分が自分を評価できるようになります。
こうすることで、他者から認められたい自分と決別することができるのです。
抑うつ
抑うつはささいなことに気が沈み,消極的,悲観的,絶望的になり,暗い気分が続く傾向のことを言います。
自分で性犯罪をしておきながら、自分で落ち込んでいるのです。はたから見れば身勝手ですが、実はこれは陥りやすい罠なのです。
「どうせ俺なんか…」といった風に自己憐憫、被害者ポジションに入るのは簡単だからです。
気をつけるためには、自分というものを客観視して、自分が「自己憐憫、被害者ポジションに入っちゃってるなぁ」と自覚するのが有用だと思います。
「俺、こんなに惨めなの。みてみて。」
「俺の気持ちなんて誰もわかりっこない」
この二つの感情が出てきたら要注意です。
落ち込むことは誰にだってあるのですが、落ち込んだ時に「じゃあどうするか」を考えられるかどうかだと思います。
そのまま落ち込み続けるのが楽なのですが、それでは前に進んでいくことができません。
偏狭
偏狭は自己中心的で社会に対する不平不満を持ち,被害感,不信感などが強い傾向のことをいいます。
常に、悪いのは社会だ・他人だと責任をなすりつけて、自分の責任を自覚していないのです。
感謝と貢献の感情が薄く、どこか搾取的で、なにかにつけ失敗すると他人のせいにします。
一言で言えば、「ありがとう」「ごめんなさい」が言えない人のことです。
自分に利益があるときはありがたくいただくが、それは搾取的で、ありがとうが言えません。何かしてもらってもお礼をするのが苦手です。
一方で、自分が何かしてしまったときは、他人のせいにしようとします。
性犯罪にしても、「親の育て方が悪かった」「みんなやっているから真似してしまった」「会社のストレスで…」などと親や社会、勤務先のせいにしようとします。
ここでのポイントは「ありがとう」「ごめんなさい」をきちんと言えるようになることに尽きます。
あなたがやってくれたおかげで助かった、自分が間違った考えを持っていて人に迷惑をかけてしまった、と素直に解釈できるようになることが大切です。