性依存症の当事者の中には、やめたい自分とやりたい自分がいます。
やりたい自分が「認知のゆがみ」を作り出して問題行動を正当化したり矮小化したりしています。
やめたい自分は「いつかは大変なことになる」「自分はおかしいんじゃないか」と感じています。
「自分は普通の人間じゃないんじゃないか」という感情を抱いて、ネット掲示板やSNSで自分と同じように性犯罪を常習化している人をみて安心したりしています。
結構、依存症当事者の頭のなかは葛藤していて複雑なんですよね。
「反省しろ」と責めることは意味がありません。性依存症者を否定しても、新しいストレスを生み、問題行動のきっかけとなります。
「性犯罪を受けて、PTSDになる人がいる。自殺する人もいる。」と性犯罪の凄惨さを伝えても反発されてしまうでしょう。
じゃあどうすればいいでしょうか。
似たようなコントロール障害である「ダイエットできない」「勉強せずに怠けてしまう」という問題を考えるとわかりやすいかもしれません。
「ダイエットしないと太るよ」「勉強しないとだめだよ」と正論を言っても意味がありません。
間食しないことや勉強することのメリットを強調してもダメでしょう。
なぜダメなのかというと、「そんなことは当人も分かっているからです」
「分かっちゃいるけど、できない」
という状態なのです。
結局、どうすればいいでしょう。
答えは、ライザップに入会させる、学習塾に入れるということになります。
「ノウハウのある所に行く」ということと、「ひとりでやらない」ということが本当に大切です。
そうすると、例えば、
ダイエットできない・勉強できないという事実に対して共感してもらえたり、
ダイエットや勉強の成功例に触れることで、自分もやる気になるというメリットを享受できます。
昔クズだったひとがこんなに良くなりました、という成功体験は意外とよい刺激になるものです。
繰り返しになりますが、ひとりでやろうとするとダメです。
指導者でもいいですし、一緒に頑張る同志でもいいのですが、人とのつながりが大切になってきます。
ここまで読んでいただいた皆さんならお分かりだと思いますが、
性依存症者への治療アプローチはこれが正解です。
自助グループ・精神科へ行く。
「性的な問題行動がやめられなくて困っている人は多いみたいだね。一度自助グループか精神科に行ってみたら?」
と声をかけてみるのがいいと思います。
そこへ行くと、逮捕歴があったり、離婚歴があったり、前科でクビになったりした「先輩」に会うことができます。そういう先輩から「こうするといいよ」というアドバイスをもらうことができます。
同じような境遇の人からの助言に対しては、
「お前なんかに分かってたまるか」
「お前は何も分かってない」
という反発がないんですね。
すんなり入ることが多いと思います。
長くなりましたが、簡単にまとめますと、
「ノウハウのある所に行く」ということと、「ひとりでやらない」ということが本当に大切なので、自助グループ・精神科へ行くように伝えることが正解だと思います。
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