「これを食べると脳梗塞にならない」みたいな雑誌の記事が多いですが、
こういう、「ああすればこうなる」という単純明快な因果関係が我々は好きなようです。
実際に、そういうタイトルにすると雑誌も良く売れるそうです。
ところで、因果関係が好かれるのは、極端マインドとか白黒思考のようにも言われますが、私たちが極論を求めているからです。
しかし、現実はそんな単純ではありません。
「ああすればこうなる」、「○○だから■■をした」、という話は物事を単純化しすぎています。
実際はもっと複雑なのです。
依存症もまさにそうで、原因も治療も複雑です。
性依存症の原因は何か。
答えは1つでは言い表せないですよね。
性欲、ビギナーズラック、報酬系回路とドーパミン、感作、耐性、生きにくさ、(幼少期の)逆境体験、自己治療、非日常感、万能感、征服欲など色々なキーワードがあります。
依存症の治療も一言では言い表せません。
運動療法、認知行動療法、行動療法、日記・セルフモニタリング、ミーティング、自助グループ、薬物療法、リラプスプリベンション、グッドライフモデルなど色々なキーワードがあります。
だから、
- どうすれば治りますか?
- 依存症の原因はなんですか?
という質問は、あまり意味がないと思うのです。
「そんなに単純な話ではないですよ」
と答えるしかないと思うんですね。
日常でも、色々と理由を聞く場面があると思います。
- どうしてコーヒーが好きなんですか?
- どうして登山が好きなんですか?
- どうして怒っているんですか?
- どうして悲しんでいるんですか?
こういった質問をしているひとは、なにか一つの原因だったり理由を聞き出したいのでしょうが、
そんなに物事を単純に考える癖はやめた方がいいんじゃないかと個人的には思います。
色々なものを単純な因果関係に当てはめてしまうと、人生の深み(のようなもの)が薄れてしまう気がします。
もちろん、ぶつけたから骨折した、というような単純な話もあるかもしれません。
いや、これも、骨粗鬆症が背景にあったんだ、という裏話があるかもしれませんね。
冗談はさておき、実際に単純な話もいくつかはあると思うので、そのあたりは割り引いてご判断いただければと思います。
それでは今日はこの辺で。
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