行動経済学で考える幸福論 人は”2.25倍”不幸になりやすい!?

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こんな感じではありませんでしたか?

ちょっと意地悪な出題をしてしまいました。

本当は、嬉しかったことと、悲しかったことの思い出しやすさを体感していただきたかったのです。

嬉しかったこと:思い出しにくい

悲しかったこと:思い出しやすい

こんな感じではありませんでしたか?

これは、実は当然の結果なのです。

不幸は強く印象に残る

プロスペクト理論という行動経済学の理論をご存じでしょうか?

簡単に言えば、人は「得」よりも「損」を重視する傾向にあるという理論です。どれくらい重視するかというと、損の方が2.25倍重視されると言われています。

  • くじA:100%の確率で4,000円をもらえる
  • くじB:80%の確率で5,000円をもらえるが、20%の確率でハズレ(0円)
  • くじC:100%の確率で4,000円の罰金を支払う
  • くじD:80%の確率で5,000円の罰金を支払うが、20%の確率で罰金なし

ABから一つ選ぶときに、人はAを選びやすいです。それは、確実にもらいたいからです。

CDから一つ選ぶときに、人はDを選びやすいです。それは、罰金なしになる可能性にかけたいからです。

なぜ、もらえるときは確実なAを選び、払うときはギャンブル的なDを選ぶのでしょうか?

罰金4000-5000円は損失ですから、プロスペクト理論に従えば、額面通りに考えることができません。2.25倍払うかのような金額の多さとして感じます。

そうすると、罰金が1万円強に感じてしまいます。そんな大金を確実に払いたいとは思えません。少しだけ金額が上がってもいいから、罰金なしになる可能性もある選択肢を選ぶのです。これを損失回避といいます。

ということで、当然、人生において、得したと思う局面と損したと思う局面では重み付けが異なってきます

損したと思う局面、恨み、怒り、悲しみというのは、得したと思う局面、嬉しかった局面よりも記憶に残りやすいのです。