行動経済学で考える幸福論 人は”2.25倍”不幸になりやすい!?

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どうしたらいいのか

人間は後悔しやすい生き物であるし、悲しみのほうがダメージが大きい生き物です。なんとも生きにくい性質です。

このプログラムされた性質も、もともとは何かの役に立っていたのだと思います。

狩猟をしているときに獲物を逃した辛さを忘れなかった人は工夫を凝らして生き延びたのかもしれませんし、耕作をしていて作物をダメにしてしまった辛さを忘れなかった人は、(工夫をするから)結果的に収穫量が多かったのかもしれません。

そう考えると、不幸や損を重視してしまうというのも悪い性質ではありません。後悔してふさぎ込んでしまうのは良くありませんが、内省し、教訓化し、次に向けていくことはいいことだと思います。

先ほど紹介したのは「不幸と向き合え」というアドバイスであり、強者の理論です。不幸を抱かないで済む方法、うまくあしらう方法はないのでしょうか?

不幸は印象に残りやすい」という人間の性質を知っているだけで救われることがあるかもしれません。実は、後悔しているときに「そうか。これはプロスペクト理論だな。」と思うだけで少し楽になれます。

これは、名詞化(名詞を用いることで、現実から逃避したり、問題に直面するのを避けることができる)に近い発想です。悪いのはプロスペクト理論のせいだと押し付けてしまえば心が楽になることができるのです。

名詞化については、以前のブログを参照いただければと思います。

他には、優越性の追求は、成功への原動力である反面、不幸になりやすいということを理解しておくことが重要です。あれもしたい、これもしたいという欲求は捨てた方が幸せになれます

欲しいものではなくて持っているものに目を向けるとか、できないことではなくてできることに目を向けるとか、そういった優越性を追求しすぎない姿勢が幸福度を上げるために重要なのかもしれません。

まとめ

  • プロスペクト理論:人は「得」よりも「損」を2.25倍重視する傾向にある
  • だから、不幸は印象に残りやすい
  • 不幸に目を向けて、内省し、教訓化し、次に向けていくことが大切
  • 後悔しているとき、「これはプロスペクト理論だな」と思うだけで少し楽になれる
  • 優越性を追求しすぎない姿勢が幸福度を上げる

このブログを通して、誰かが少しでも生きやすくなれば嬉しいです。