お金があったら欲しいものは何ですか?
という質問を精神科でされた。
私は、「婚約指輪」と書いた。
プラチナのリングに、輝くダイヤが乗っているやつ。
本当に、その質問を受けてパッと思い浮かんだのが「婚約指輪」だった。
早く、彼女に婚約指輪をあげたいと思っている。
物をあげたいというよりも、喜ばせたい・安心させたいという思いが強い。
何を隠そう、交際して、もう2年半。
彼女も私も30を超えていて、いい歳である。
いくらなんでも、自分の行動が遅すぎるのではないかという焦りが出てきた。
留置場でも面会してくれた。
私が何もかもを失いかけた時に、唯一失いたくなかったのが彼女である。
依存症の治療を受けるきっかけをくれたもの彼女。
そんな彼女をこれ以上待たせたくないのだ。
私は焦っている。
しかし、パッと思い浮かんだ「婚約指輪」という答えだが、よく考えてみると、「お金があったら欲しいものは何ですか?」という質問の答えとしては不適当な気がしてきた。
お金が「あったら」というが、実際にあるのだ。
ここで、私の経済状況などを説明すると、貯金はそれなりにある。
同世代の平均は越えているはずだ。
ということで、たんまり溜め込んだ貯金で婚約指輪を買ってプロポーズする選択肢だってある。
しかし、貯金では買いたくないのだ。
生まれ変わった自分が”稼いだ”金で買いたいのだ。
きれいな金で買いたいのだ。
前科があって、いろいろ整わないと再就職できないのだけど、しっかり職をみつけ、堂々と指輪を買って渡したいというのがある。
頑なな考えだが、それを守りたいのだ。
「お金があったら欲しいものは何ですか?」というのは、「婚約指輪」ではない。
「お金を稼いだら欲しいものは何ですか?」という問いの答えは、間違いなく「婚約指輪」である。
いずれにしても、最高のプロポーズにしたい。