アルコール依存の自助グループであるAA(アルコホリックアノニマス)には「スリップしないためにHALTに気をつけろ」という文言があります。スリップしやすい状況4つの頭文字となっています。性依存にも通ずる部分があると思います。今回はこのHALTを解説してきます。
ちなみに、HALTはドイツ語で止まれの意味で道路標識などに使われています。
Hunger:空腹
アルコール依存の方はもともとカロリーの多くをアルコール飲料から得ていました。つまり、腹が減ったら酒を飲むという思考回路が出来上がってしまっているのです。
Anger:怒り
Anger(怒り)はストレスとして大変強いものです。それが原因でスリップしていしまうこともあります。ストレスコーピングを学習し、怒りを感じたときにいろいろな方法で解消できるといいでしょう。
Loneliness:孤独
Loneliness(孤独)というのは、性依存ともっとも関係があると思います。
性依存症者は「人との交流のしにくさ」を感じている人が多く、寂しさを感じているといいます。簡単に言うと友達が少ないのです。
対応としては、友達を作るしかありません。自助グループや精神科のグループワークに行く、地域のイベントに参加するなど交流する機会を増やし、積極的に話しかけるしかありません。
Tiredness:疲労
TIredness(疲労)は飲酒欲求が生じやすいそうです。疲れたから、仕事を頑張ったからという理由で問題行動をしてしまいます。自分の問題行動を正当化するために疲労を持ち出してしまうのです。
さいごに
HALTに気をつけろという格言を紹介しました。性依存にも役立つ部分があったと思います。とくに、孤独は性依存と密接に関わっていると言われています。
ここには挙げられていないのですが、
- Boring(退屈)
も性依存の危険因子です。
暇なときは、自分の好きなことをすると思います。そんなときに依存症の人は渇望が出やすいです。暇を作らないこともとても大切だと思います。
是非、「HALT+B」に気を付けて、問題行動の再発に注意しましょう。