「パーソナリティ障害』岡田尊司(PHP新書)を読みました。
自分のパーソナリティーを言い当てられました。性質までドンピシャで言い当ててきます。こんな本は初めてです。
自分は自己愛性パーソナリティでした。
今回は、本書のレビューというよりも、読んでみた私の感想、特に自己愛性パーソナリティ障害に関して解説していきます。
自己愛性パーソナリティとは
自己愛性パーソナリティ障害は以下のうち5つ以上が該当することによって示されます。
どれくらいみなさんは該当するでしょうか?
- 自己の重要性に関する誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する)
- 限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている
- 自分が”特別”であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人たちにしか理解されない、または関係があるべきだ、と信じている
- 過剰な賞賛を求める
- 特権意識、つまり、特別有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する
- 対人関係で相手を不当に利用する、つまり、自分自身の目的を達成するために他人を利用する
- 共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない
- しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む
- 尊大で傲慢な行動、または態度
DSM-Ⅳ-TR精神疾患の分類と診断の手引き 新装版(医学書院)より
自分は全て該当しました。
「パーソナリティ」と「パーソナリティ障害」の違い
パーソナリティというのは色々な要素がありますが、どこが強いとかどこが弱いとか多少の個人差があります。
パーソナリティ”障害”というのは、偏った考え方や行動パターンにより家庭生活や社会生活に支障がある状態です。
自分は、性犯罪で逮捕された過去があります。後述しますが、性犯罪と自己愛性パーソナリティ障害は関連します。
自分は自己愛性パーソナリティ障害であることは間違いありません。
自己愛性パーソナリティは”冷酷なナルシスト”
自己愛性パーソナリティ障害の特徴は、自分は特別だと思うところや成功を夢見るところにあるそうです。魅力的で好感を持たれやすいらしいです。
一方で、受ける苦痛は我慢ができず、完璧主義です。人に何かを教えられるのが苦手で、ナルシストです。実際に、ある程度能力が高いことが多く、女性に比べ男性の方が多いようです。
対人関係では、他者は「何らかの奉仕をするだけの人」と認識し、利用します。
賞賛をくれる人は「お客さん」として歓迎します。
自分の身の回りの世話をしてくれる人は「召使い」として歓迎します。
しかし、その後は「用済み」とみなし、使い捨てのティッシュのように捨ててしまうこともあるそうです。
他者に対する共感性の低さや、他人を利用する搾取的な考えから性犯罪加害者になることもあると書いてありました。実際に私がそうなのです…

自己愛性パーソナリティの原因
自己愛性パーソナリティ障害の原因として、本に書かれていたのが
- 途中で養育者が亡くなった場合
- 貧しく恵まれないと本人が恥辱に感じる幼少期がある一方で本人の才能や能力がある場合
私はどちらも該当します。
高校の時に父を亡くしています。
自分は成績が良い方でしたが、田舎生まれであったり父の死去で経済的に困窮しているのを恥ずかしく思ったことがあります。
この辺りを読んだときは、言い当てられた感じがして、とても驚きました。
自己愛性パーソナリティは良い面もある
芸術家のサルバドール・ダリや、ココ・シャネルも自己愛性パーソナリティの側面があったのだそうです。
彼らは、「傲慢さ」、「尊大さ」、「妥協を許さない完璧主義」、「独立心」、「非社交性・癒されぬ孤独」、「自己愛の傷つき」などを創造的営みに用いて大活躍しました。
自己愛性パーソナリティはアーティストと関わりが深いのです。
パーソナリティと上手に付き合うことができれば、花を咲かせることができるのです。

克服の仕方
自己愛性パーソナリティ障害の克服方法として、
- 謙虚に他人の言葉や教えを聞く、耳の痛いことを言ってくれる人を大切にする
- パートナーに対して誠実でいる→現実的な問題処理が苦手なので理想的な補完関係となるパートナーが重要
- 集団で協力して何か(スポーツとか仕事とか)をする→協調性を鍛える
- 他者への貢献(他者のために生きる)や社会活動→自己への囚われを人類愛へ昇華
- 創造的な活動をする(アーティストになる、書籍を書く、コンテンツをつくる、起業する)
が紹介されています。嫉妬心や功名心が強いので、目覚ましい活躍をする可能性もあります。自分自身、何かを創造する仕事につくのも悪くないと思っています。
どうしていくか
最近は、自分は幸福になりたいと思っています。アドラー心理学にも足を突っ込んでいます。そして、今回、自分の特徴であるパーソナリティについて学びました。そのどちらにも共通していたことが、「貢献」です。他者への貢献で幸せが得られるという考え方もありますし、他者へ貢献することで自己愛を人類愛へ昇華するのが、自己愛性パーソナリティの克服に良いとあります。「貢献」というのをキーワードに残りの人生を生きていきたいです。自分の能力を活かして、ひとに感謝されるのが、自分にとって最高の人生なのだと思います。
最後に、希望のある引用をして終わります。
パーソナリティ障害を克服した人は、とても魅力的なパーソナリティとして円熟する。(中略)重いパーソナリティ障害を抱えていた人も、問題や困難にぶち当たりながらも必死に生き抜いてきた人は、三十代半ばくらいから落ち着いてくることが多い。そうすると、とても良い持ち味を発揮するようになる。
「パーソナリティ障害』岡田尊司(PHP新書)
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