『「小児性愛」という病』レビュー

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斎藤章佳氏の2019年11月の著書です。

私は小児性愛ではありませんが、同じ性依存症の中で、小児性愛にはどのような特徴があるのかを勉強してみたいと思っていました。

調べてみると、小児性愛には独特の特徴があり、再犯の可能性も高いことが分かりました。早速解説していきます。

認知のゆがみ

認知のゆがみは性依存の全員にありますが、小児性愛の方は特徴的なものです。本書で紹介されていた項目を抜粋すると以下のようになります。

  1. 被害者の自己責任にする
  2. 子供の無知、弱さを利用する
  3. これは純愛だと思い込む
  4. 子供を”飼育”したい
  5. 騒がれたら殺してしまえばいい

1番目の「被害者の自己責任にする」というのは、こんな薄着な格好をしている女性側に非があるんだ、というようなゆがんだ認知で、性依存全般に該当するといってよいでしょう。

一方で2,3,4,5番は小児性愛に独特な認知のゆがみです。

2番としては、対象となる小児は、未熟ですから、何をされても本人はよくわかっていないから大丈夫と思っている犯人が多いそうです。

4,5番としては圧倒的に自分の方が立場が上であるため、飼育したいとか、最悪の場合は騒がれても殺してしまえばいいと考えている犯人が多いようです。特に飼育したい、殺してしまえばいいという認知のゆがみは、昨今の小児性愛に該当する事件で、誘拐監禁、強姦致死などが散見される点からも納得できます。このあたりの認知のゆがみは悪質で残虐な点は否めません。

私が特に3番が特徴的だと思いました。「僕とあの子は純愛で結ばれているんだ」というような勝手な思い込みです。成人を対象とした性犯罪ではこのような思い込みはありませんから、小児性愛に特徴的だと言っていいでしょう。

自分が小児性愛だと気が付くのはいつか

小児性愛者は自分が小児性愛だといつ気が付くのでしょうか。

マスターベーションの開始は小学校高学年から中学生だと思いますが、その時に対象となるのが自分よりも低年齢の異性であってもおかしくありません。小学生の女児を空想しながら、中学生男児がマスターベーションしていても構わないと思います。しかし、小児性愛者は当人の年齢が上がっても、マスターベーションの対象が女児(あるいは男児)のままなのです。そのころには徐々に自分の性癖が小児性愛だと自覚するのだそうです。

また、当人が成人になって、恋愛から交際に至る過程で、成人女性とセックスする機会もありますが、その時に全く興奮出来ないのだそうです。普段は児童ポルノを用いてマスターベーションしているので、成人女性といざセックスするという段階になっても、性癖とズレているため興奮出来ないそうです。そうなると、当人も生活に支障をきたしているわけですから、自らの性癖が通常とは異なると気が付くのだそうです。

教育職に就きやすい

自分が小児性愛だと気が付いたところで、克服しようとは思わないようです。壮大な計画を立て始め、小児と関わることができる職業を目指す傾向にあるようです。実際に小児性愛の事件を起こした四分の一の方は、教員、インストラクター、塾講師、保育士などの教育職でした。

小児性愛の心理

同年代の女性に対して嫌悪感を抱き、攻撃対象とみることもあるそうです。付き合えるだけの外見や地位、収入、コミュニケーション力がないと感じてあきらめた経験があるからといわれています。こういった経験から、「受け入れて欲しい」という欲求を満たすために、弱く相手を絶対に脅かさない子供に恋愛感情を抱くのです。

体操服、制服がトリガー

子供が好きというなかで、体操服などの制服がトリガーとなっている方が非常に多いそうです。児童ポルノを見ても、幼稚園児の格好をしているとか、体操服を着ている商品が多いです。

男児も対象となる

成人を対象とする性犯罪では、異性である女性を対象とした事件がほとんどである一方で、小児性愛の場合には男児も犯罪の対象となるようです。これは、小児性愛者が男児も好むからという理由以外に、女児は親から厳しく指導を受けているためターゲットとして狙いにくいが、男児は比較的ガードが緩いというのも理由と考えられています。

おわりに

小児性愛は性の対象が子供という点が異常です。成人を対象とした性犯罪とは特徴がまるで異なります。

今回紹介できなかった内容もたくさんあります。よろしければ読んでみてください。

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