旅行に行っていた。
露天風呂に入りながら景色を見てふと思った。
なんだか最近調子が良い。清々しい。
色々理由を考えてみたが、おそらく嘘をついていないからだろう。
裏を返せば、今までが嘘で塗り固められていた人生と言っても過言ではない。
前科があるのを黙っていたりとか、前科があるのを歪曲し過少に伝えたりとか、
自分勝手な犯罪をしておきながら黙って生きてきたとか、色々ある。
慢性的に嘘をついて生きてきた。
自分にも他人にも嘘をついていた。
そうやって生きていくのは実は辛かったのだなと、今になって思う。
嘘をつくというのは、辻褄があうように物語を捏造して、顔に出さないで相手に伝えなくてはいけない。
心が傷つく。
その心が傷つくのを和らげるために、認知をゆがめてきた。
正しくないものを正しいと認識したり、誠実ではない行動を「あれは仕方なかった」と思ってみたり。
今は清々しい。それと同時に昔がひどかったと認識することができた。
旅行に行くと、慣れない土地で感傷的になる。
自分の人生これでいいのかとか、これでよかったのかとか考え始める。
今に集中するというよりも、少し長い目で人生を俯瞰することになる。
今回は、久しぶりに清々しい気分となっている理由が、嘘をついていないからだと気付いた。
旅行はいいものだ。
次回の旅行ではもっと成長した自分に出会いたい。
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