山口達也さんの気持ちが痛いほどよくわかる

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山口達也さんの飲酒運転事故のニュースが世間を賑わせている。

間違いなく彼はアルコール依存症である。

今回、依存症の治療に取り組んでいる身からすると、考えることは色々ある。

山口達也さんに同情する

2016年、離婚。

2018年、未成年への強制わいせつ容疑で逮捕されて以降、芸能界を引退。

2020年、飲酒運転事故で逮捕。

時系列で並べてみると、人生が崩壊しつつことが分かる。

彼に対して私が抱く感情が「同情」である。

私自身、彼と同じ犯罪者だ。

逮捕報道された身であるから、その辛さは痛いほどわかる。

私の場合は、報道されて以降、外出することができなかった。

地球のすべての人が自分のことを知っているという強迫観念に襲われてしまい、コンビニの店員にも会いたくなかったのだ。

当時を思い返すと、私は髪型を変えたり、帽子をかぶったり、髭を生やしたりと、変装をして、何とか社会にばれないように穏やかな生活がしたいと思った記憶がある。

実際外に出てみれば、コンビニの店員をはじめ、特に深くかかわりのあった人を除けば、後ろ指さされることもなく、穏やかに過ごすことができた。

そんな私だからこそ、丸刈りにして、色の濃いサングラスを着用した現在の彼の姿を見たときに気持ちがよく分かった。

コンビニに買いに行くにしても、変装しなければいけない。

友人と外食に行くにしても、サングラスと帽子が必須である。それ以上に、個室の料理店しか利用できなかったかもしれない。それでもウエイター・ウエイトレスの目が気になることだろう。

さらには、免許証の更新など、変装が許されない公共の場所ではどうすればよいのだろうか。

区役所や税務署などに行って用事を済ませるときに、身分証を見せるとき(つまり、自分の素性を隠せないとき)どういう思いをしただろう。

メガネも帽子も外さなければいけない、床屋・美容室に行くときは辛いんじゃないだろうか。

そして、何よりも大切な精神科や自助グループへの通院も、大きな報道をされてしまったから行きにくいのではないだろうか。

そんな風に、私は彼に同情する思いでいっぱいである。

被害者がいる犯罪を犯したときに、当然被害者に謝るべきだし、反省すべきだ。必要があれば、罪を償うために罰金を払ったり、懲役となるのも納得できる。

しかし、社会復帰不能となるくらいの制裁は必要ないのではないかと思う。

社会的制裁も含めて、罪を償うことだという主張をされる方もいるかもしれないが、私は社会に参加できないという制裁よりも、社会で他者貢献できるように機会を与えるほうが犯罪者にはいいように思う。

映画『グリーンマイル』で次のようなセリフがある。

He’s paid what he’s owed; he’s square with the house again, so keep your goddamn hands off him!

彼は罪を償った。もう誰にも借りはない。彼に手を触れるな!

これは、正義感が強く、思いやりのある看守ブルータスが言ったセリフで、死刑執行後の死刑囚(つまり死体)にいたずらをしようとした礼儀知らずの看守に対して放たれたものだ。

生きているうちは死刑囚という立場だったが、死体となった現在は、罪を償い終わっているので、彼の尊厳を尊重しなければならないというハッとするセリフである。

私は、山口達也さんへの過剰な報道をする人、過剰なバッシングをする人にこのセリフを一度でいいから聞いて欲しいと思っている。

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