どうして再犯してしまったのか?
この再逮捕に関しては他人事と思えない。
どうして再犯してしまったのか、私も一緒に考えたい。
ナオキさんは刑務所内でR3という再犯防止プログラムを受講していたが、出所後は治療やカウンセリングを受けていなかったようである。
つまり、「自制」で性依存と戦っていたのだろう。
「自制」だけで性依存と戦うとどうなるか。
刑務所に行きたくないとか、そういう懲罰を避けるという気力は最初の方はある。
しかし、出所後3~4年もすれば、その気力も徐々に薄れてくる。
再犯防止プログラムを受講しても、脳に作られてしまった報酬系回路は一生治らないわけだから、何かのきっかけで「やりたい」と思ってしまうのだ。
今回は、それのキッカケが同居する妻との口論だったかもしれないし、深夜に徘徊をしていて女性を見つけたときなのかもしれない。
妻との口論の末、精神的に不安定になったのが原因であれば、妻との良好なコミュニケーションがポイントであったということになる。
その場合は、改善するべきは対人関係やコミュニケーション能力だろう。
それに関する本を読んだり、精神科やカウンセリングに助けを求めていってほしい。
もう一つは、深夜に徘徊をしてしまったこと。
そこで女性を見つけたら、強制わいせつをしたくなるというのは事前に分かっていたのではないだろうか?
なぜ、自分にも他人にも迷惑をかける恐れがある、深夜の徘徊をやめられなかったのか。そこが残念でならない。
私は当事者だから、当事者として意見したい。
誤解を恐れずに言えば、「深夜に誰もいない路上で女性を見つけたら襲ってしまいたくなる」という嗜癖はもう仕方がないと思う。仕方がないという言い方は良くないかもしれないけれど、そういう脳の回路が出来上がってしまっているし、今の科学では治せないのだから仕方ない。変えられないものは割り切るしかない。
でも、「じゃあどうするか」を自分で考えられなかった責任は重い。
誰だって、分かるはずだ。
「深夜に外出してはいけない」と。
たったそれだけで、自分にも他人にも迷惑をかけなくて済む。
そのルールを設定できなかったこと、遂行できなかったことが今回の悪い結果につながったと感じる。