コロナウイルスと行動療法

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マスクを外さない、外せない

先日マスクをしてランニングをしていたら、酸欠状態になり、どうしてもマスクを外したくなった。

しかし、自分は心肺機能を鍛えたいので、マスクは外さないと決めていた。

だから、その時は心の中で葛藤があったのだ。

苦しいから外してしまうのか、それとも当初の予定通り心肺機能を鍛えるためにマスクを着用したままで走るのか。

天使の声と悪魔の声のささやき合いである。

そんな時にふと、「マスクを着用しないでランニングしていたら、周りの人に嫌な目で見られる」と感じた。

その考えのおかげで、「天使の声」を採用し、酸欠状態でもマスクを外すことなく走ることができた。

ふと、そのとき気付いた。これって行動療法ではないかと。

マスクを外さないようにしたい→マスクを外さないような状況を作る→コロナウイルスで勝手にそういう状況だった

という図式だ。

コロナウイルスの影響

依存症の目的というものを考えると、征服感やドキドキなどの感情を得たいがために行なっていると考えることができる。

逆に、征服感やドキドキを得たいと思った時にどうして依存対象に向かうのかというと、手軽に実現可能であるからだ。

以上を踏まえると、依存症の治療は大きく分けて2パターンある。

1つが、依存対象とは別の方法で得たい感情を得るというもの。「別の方法を考えましょう」ということである。

2つ目が、依存対象へのアクセスに制限を設けて、手軽ではないようにすること。「できないようにしましょう」ということである。これは行動療法とも呼ばれる。

今回のコロナウイルスの問題で、社会は大きく変化した。2つ目の「行動療法(依存対象へのアクセス制限)」が思わぬ形で実現しているケースもある。

例えば、満員電車がなくなり、痴漢ができなくなったとか。パチンコ屋が閉まり、ギャンブル依存の人は治療順調とか。

そもそも外出自粛の関係で、多くの活動が制限されている状態なので、自宅でできる依存対象(ゲームやアルコール依存など)以外は症状が良くなっているのではないだろうか。

コロナウイルスが良い状況を作っていると表現するのは不謹慎である。しかし、社会の変化が行動の変化を生んでいるのは事実であり、その変化の中に依存症・依存症患者も含まれているのは事実だろう。

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