救済者になりたがる依存症者
心理関係の職に就いている方の中には「昔、メンタルの問題で悩んでいました」という人が結構いるようです。
そういう人が、自分のメンタル不調と向き合った時(克服したとき?)に、
「私も誰かの役に立てるように、心理士・精神保健福祉士・精神科医になろう」という発想になるのだそうです。
実は、私もこの「誰かの役に立ちたい」という気持ちが強くて、このブログをやっています。
依存症関連の仕事をやりたいと思った時期もありました(いまは断念しています)。
このように、精神疾患を患った人は、救済者になりたがる性質をもってしまうようです。
自己治療なのか、コンプレックスを埋めるためなのか
これは、良い見方をすれば、「自己治療」だと思いますし、
悪い見方をすれば、「自分の傷ついた自己愛を癒したい」のかもしれません。「コンプレックスの解消」といってもいいと思います。
良い側面と悪い側面は表裏の関係ですから、本質的には同じものなのかもしれません。
(表裏の関係は本質的には同じものというのは、私が最近興味深く考えていることです)
では、実際に私のようなメンタル不調を抱えた者が救済者になろうとしたときに、どこに注意したらいいのでしょうか。
自分にも他人にも迷惑をかけない
一つは、自分に迷惑をかけないこと
もう一つは、他人に迷惑をかけないこと
だと思います。
自分に迷惑をかけないというのは、ストレスにならないようにするということです。
「自分が第一人者になるんだ」というように、入れ込みすぎると新しいストレスを生んでしまうでしょう。
書籍をまとめたり、団体を立ち上げたり、サイトを作成したり、起業したりすれば、それは重荷となるかもしれません(もちろん生きがいになるかもしれません)。
追求しすぎない、頑張りすぎないというのが、一つのポイントになるのではないでしょうか。
もう一つが、他人に迷惑をかけないことです。
中途半端な救済者になってクライアントに迷惑をかけたり、営利主義に走ってお金をまきあげてしまうという2つの危険があります。
世の中には、資格を持たない自称カウンセラーがたくさんいます。
カウンセリングというのが独占業務ではないため、だれでも参入できてしまうという法律の問題もあります。
この自称カウンセラーというのが、昨今問題になっています。
人の心の問題・深層心理というのは、中途半端に掘り起こしてしまうと悪化することもあります。
河合隼雄先生ですら、クライアントと一緒に深層心理に潜っていこうとすると迷子になりかけることがある、と言っているほどです。
それだけ、心の問題を扱うことは難しいのです。
なので、中途半端な知識でカウンセラーを名乗るのは、クライアントのためにもやめるべきだと思います。
また、その自称カウンセラーとして、サイト運営、団体運営を行い、金を他人からもらおうとする人がいます。
それは、「ビジネスとしてなりたっている」という点に価値を置いているのだと思います。(生活に困窮していて、生活費が欲しくて救済者になる人はいない)
ビジネスとして自立している、他人がお金をかけてくれるというのが、どこか自分の自己重要感を満たしてくれるのかもしれませんね。
もちろん、金が得られるというのは悪いことではありません。
しかし、あまりに搾取的になってしまうのもどうかなと思います。
まとめ
というわけで、今日は依存症者(というよりもメンタルの問題を抱えた人)は救済者になりたがるという話でした。
難しいと思うのが、「自分がすごいんだー」と証明するために背伸びをして救済者になり、誰かに迷惑をかけてしまうこともあれば、
「メンタルの問題は興味深いな」となって調べていくうちに生きがいや自己治療になることもあるということです。
まさに表裏一体です。
私にとって、このブログはどんなものなのか、というのも非常に興味深いと自分自身で感じています。
自分の凄さを証明する場所でもあり、
自分の自己治療としての表現の場でもあり、
金稼ぎの場でもあり(アマゾンアソシエイトとGoogleアドセンスを導入していて、月に50円くらい利益があります)、
生きがいでもあるのだと思います。
いい面も、悪い面もあるというのを冷静に見つめながら、
このブログを続けていきたいと思います。
今日のようなブログを書いたのも、「俺は自分の気持ちを分析できているんだぞ」という顕示が関係していると思います。
私には満たしたい感情が沢山あるというのを最近は感じます。
それでは今日はこの辺で。
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