最近は村上春樹さんの『羊をめぐる冒険』を読みました。
とっても面白かったです。
この小説の中では、羊が邪悪なもののメタファーとなっているようです。
しかし、私はこの小説から世代間をまたいで伝承される「悪・憎悪・怒り・自己顕示」のようなものを感じました。
歴史上の暴君、新興宗教団体の教祖、そういった属性の人を私は想起しました。
タイトル通り羊を追い求めて旅をする話なのですが、この物語は冒険するとは言っても、「心理的なテーマ」が主体となっています。
最近は、人間の心理に興味があるので、とても楽しく読むことができました。
久しぶりにフィクションを楽しんだ後は、
岡田尊司さんの、『誇大自己症候群』を読んでいます。
これは、愛着と自己愛のトラブルに陥った人のことが書いてあります。
自己愛性パーソナリティである私は、「うんうん、なるほどな」と納得する部分がたくさんありましたね。
傷つきやすさから、自己愛を守るために、相手を攻撃してしまう。
そんな特徴が私にもあると思うので、とても勉強になります。
まだ、最後まで読んでいませんが、楽しく読み進めていけたらと思います。
しかし、この2冊を読んで感じたことが、
多くの人が、「自己愛」や「愛着」の問題から、
- 未熟な万能感や自己顕示的傾向
- 他者に対する非共感的な態度(人を傷つけることに対する罪悪感の乏しさ、責任転嫁と自己正当化)
- ファンタジー優位な傾向(現実感の乏しさや自己愛的な空想、解離傾向)
- 重い通りにならない状況に対する激しい怒り
- 傷つきやすさや傷つきへの囚われ
といった特徴を抱えているということです。
そして、これらの特徴は、なんとなくですが、村上春樹さんが表現したかった、人間に潜む暴力性なのではないでしょうか?
ご興味がありましたら、どちらの本もとてもおすすめなので、読んでみてください。
いやしかし、こういう風に読書をしていると、
「他人はコントロールできない・しようとしてはいけない」というのを痛感します。本当に。
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