私は物欲が強い。
高級車や高級腕時計へのあこがれが強い。
そして、先日の婚約指輪のお返しということで、高級腕時計をプレゼントしてもらえることになった。
この、”お返しとしてプレゼントしてもらえることになった”という点については、自然の成り行きではなくて、実際は「私から匂わせた」。相当にマナーが悪かった。
そんなこんなで、お返しの高級腕時計の話が進み、予算やメーカーの話になった。
試着をしたり、楽しんだ。
そうしたら、私の中で大きな変化があった。
高級腕時計をたくさん収集したいという気持ちが大きくなってきた。
1本買えば満足なのではなくて、「この次は系統が違うこれが欲しいな」などと欲望が膨張していったのだ。
現状に満足できない、自己愛性パーソナリティーの側面が顔を出してきた。
彼女がいても満足できず、セックス依存となっていったこと。
成長感や自己重要感を味わいたくて、性犯罪をしてしまったこと。
そんなことを思い出した。
自己分析をした。
このままではまずい。
そして、婚約指輪のお返しは正式に辞退した。
本当は、高級腕時計が欲しかった。
だが、これが自分の弱点だと思った。
もっと、もっとと求めてしまう、最初の一歩のように感じた。
また、そもそも、どうして高級腕時計が欲しかったのか。
高級腕時計は私にどんな感情をもたらすのか。
稀少性から、自己重要感を満たすのか。
そうであれば、自分は腕時計がないといけないほど、自己肯定感が不足しているのか、などと自問した。
今では、婚約指輪のお返しを正式に辞退してよかったと思っている。
人の脳には”傾向性”があると言われている。”脳のプログラム”ともいわれている。
雨が降っているときに、最悪だと自動的に考えたり、
時計を見たときに、出ている数字を不吉だと考えたり、
それが、うつ病とか依存症に関連しているともいわれている。
私の傾向性や脳のプログラムが、今回作動した。
高級腕時計が欲しかった。
高級腕時計が手に入るなら手に入れたい。
そういう、傾向性や脳のプログラムがあることを知った。
そして、今回、その傾向性や脳のプログラムに従うのではなくて、抵抗することにした。
婚約指輪のお返しは正式に辞退してからは、雑念が減り、生きやすくなった。
これでよかったのだと思う。
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