性依存症の治療
本書では特に第四章の「性的依存症の治療」が体系的によくまとまっていました。
- ハイリスク状況を同定し、コーピング訓練を行う(引き金回避)
- ネガティブな感情への対処法を訓練する
- 規則正しい生活を送る
- 自己モニタリング
- 渇望へのコーピング
- ゆがんだ認知を修正する
- 代替行動の学習を行う
- 周囲のサポートを活用
性依存症の治療は確かにここに書かれている通りで、過不足がないと思いました。今回本書を読んでみて、7.代替行動の学習を行うという項目がもっとも勉強になりましたのでご紹介します。
依存症の治療をしていると、どうしても「○○しない」という目標になってしまいます。自分で定めたルールも「○○しない」というものですし、そもそもが再犯を予防するためにやっているわけですから、「問題行動しない」というのが根っこにある目標なわけです。
そうすると、目標もルールも何から何まで否定形になってしまいます。否定形に囲まれて生きていると、なんとなく味気なく、自分の人生は何だったのだろうと虚無感に駆られることもあります。
したがって、「家族で夕食を一緒に食べる」とか「運動をする」とか代替行動(なんらかの望ましい行動)が重要になってきます。
それらを積極的に継続することで、否定形ばかりの依存症治療にいい刺激が与えられ、再犯のリスクを低減させることができるのです。
わたしも、ランニングとか日記とかブログを書くとか読書をするとか、たくさんの代替行動を始めました。良い習慣だと思っているので継続していきたいと思います。
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