スパイラル
のめり込むものというのは、大体○○スパイラルという風に表現されます。
今回、依存症スパイラルが分かりやすく図になっているものを見つけましたので、紹介したいと思います。
この図の面白い点は、
- 「問題行動をすると一時的にドーパミンが大量に出る」
- 「ドーパミンが薄れるとストレスが生じる」
- 「ストレスがたまると問題行動をする」
というのが分かりやすく表現されている点です。
以上をまとめると、次のようになります。
- 「問題行動をすると、問題行動をする」
つまり、スパイラルにハマってしまうわけです。
これは、特に物質依存で分かりやすいと思います。
違法薬物やアルコール、ニコチンなどの物質依存症では、該当物質の濃度が薄くなるとストレスとなるのです。
本来であれば快感を得るために行う行為が、最終的にストレスとなってしまう点が、依存症の興味深い点だと思います。
喉が渇いたときに海水を飲んで自滅するパターン
例えて言うならば、のどが渇いているときに海水を飲む行為も依存症のスパイラルに似ていると思います。
一度は、液体をごくごく飲むことで快感を得ますが、実際は海水を摂取すると浸透圧の関係で余計に喉が渇いてしまいます。
つまり、海水自体がのどの渇きを生み出しているのです。
このサイクルにハマると、海水を飲んでは喉が渇くというのを繰り返すスパイラルに突入してしまいます。
性依存症でストレスを生んでいるのは罪悪感
性依存症でストレスを生んでいるのは、罪悪感もあると思います。
性依存症の方は引っ込み思案なひとが多い印象です。おとなしいといってもいいと思います。(逆に、反社会的な人は性依存症になりにくいと思っています)
引っ込み思案な人は、当然性犯罪をすると、ドーパミンが得られて、ドキドキしたり高揚感を味わえます。「やってはいけない」と思っている人の方が、背徳感からドーパミンが多く出るようです。
ドーパミンがでて快感を味わう一方で、「俺はなんてことをしてしまったんだ」という罪悪感も出てきます。
だからこそ、罪悪感をかき消すために、性犯罪を必要とするのです。
問題行動をして罪悪感を作り、罪悪感を消すために問題行動をする。
言い換えれば、問題行動をすると、問題行動が必要になってしまいます。
こうやってスパイラルにはまっていきます。
このスパイラルを踏まえて治療はどうすればいいのか
このスパイラルを考察してみると、分かることが2つあります。
スパイラルを止める
1つは、
問題行動をやめることが、問題行動をやめることにつながる
ということです。
当たり前すぎて「何を言っているんだ」と言われてしまいそうですが、、、
問題行動をするとますます問題行動にはまってしまうというスパイラルを考えると、一度思い切って問題行動をやめる(断ち切る)というのが大切なのです。
反省は効果がない
もう一つが、反省しても意味がないということです。
罪悪感が問題行動の原因になりえるので、
「悪いことをしていた」という反省文を書かせても依存症は治りません。
余計にストレスがかかってしまい、ますます問題行動が必要になってしまうかもしれません。
スパイラルから脱するためには
大事なことは、
- 健全にドーパミンを出すこと
- 不健全にドーパミンを出さないこと
につきます。
健全にドーパミンを出す=運動
そのためには、運動が大切です。
「え、運動!?」と思う人がいるかもしれませんが、
運動はとても有効な対策です(運動療法ともいわれています)。
運動の効能については、以前の記事をご参照ください。
不健全にドーパミンを出さない=行動療法
問題行動ができそうと期待するとドーパミンが出てしまうという特性もあるので、
徹底した行動療法(問題行動のできない環境をつくる)も重要になってきます。
行動療法については、下記ブログをご参照ください。
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