「メンバーさん」
デイケアに初めて参加したときに、この言葉に戸惑った。
こんな言葉聞いたことがなかった。
ちなみにどういう風に使われていたかというと、
ミーティング中に、「この前、メンバーさんと食事に行ったのですが…」
などと使われていた。
私は、「メンバーさん」という言葉に違和感を覚えた。
どちらかというと、デイケアの利用者なのだから「ユーザー」なのではないかと思ったからだ。
しかし、私は、この「メンバーさん」という意味を徐々に分かり始める。
一年前くらいの話になるが、
私が彼女と結婚することになり、彼女(妻)の親族と会うことになった。
当時はすごく不安だった。
前科を隠し、精神科に通院していることを隠すことに罪悪感があったのだ。
そのことについてミーティングで話したら、あるメンバーさんが相談に乗ってくれた。
自分より年上のメンバーさんで、とても頼りになった。
その方がデイケアは卒業されて地元に帰ってしまったときに、
今度は私が誰かの力になりたいな
と思った。
それ以降、私はメンバーさんに相談をされる立場にもなったように思う。
そして、ふと気づいたことがあって、
デイケアというのは、精神科医、心理士、看護師、事務の方などで構成されていて患者がそのサービスを利用するというのではなく、
私たち患者もデイケアを構成している。
そういう意味で、私たち患者はユーザーではなくて、メンバーなのだと。
私が今考えていることは、
デイケアというコミュニティで助けられた分、誰かを助ける側にも回っていきたいということ。
そして、デイケアを卒業された方の代わりを務めたいという思いがある。
デイケアという居場所を、私は守っていきたいし、受け継いでいきたいと思っている。
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