『自省録』を読んで②

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称賛を求めない

誰かに感謝してもらうことを人は勘定に入れがちで、相手を心の中で債務者とみてしまう傾向があります。

自分の存在や自分の行為は、本来は評価とは無縁です、称賛・評価・批判と自分の価値は無関係なのです。

不動心(apateia)

自省録には「不動心」という言葉がたびたび出てきます。これは、心の平安を保つことという意味で、幸福に必要とされている概念です。

逆に、不動心の反対が、怒り・憎しみ・悲しみなどの、外からの刺激で心が波立つことです。

不動心を手に入れることは、精神の平穏を意味します。

「情念から自由な精神は城塞である」(8・48)

とまでアウレリウスは言います。

不動心に至るためには、

「判断を取り去れ。そうすれば『害された』という判断は取り除かれる」(4・7)

「他人が何かするかしないかには何も求めない」(2・17)

と書かれています。

他者からの非難も裏切りも、それは「外」にあるもので、「内」なる私が影響をうけることはないという意味です。

まとめ

他者という外なる煩いへの対処

  • 自分の指導的部分(理性)が脅かされたわけではない
  • 自分を害そうとする人があっても、自分もまた同じ過ちを犯しうると知ること
  • その人がなぜ過ちを犯したか考え、当人は無知のため心ならずも過ちを犯していたと気付く
  • すべての人は協力して生きる同胞だという視点を持つ
  • 怒りの情念から自由になれること
  • 称賛を求めない
  • 心の平安を保つことが幸福である(不動心)