今日は、当事者の苦悩の中でも、「否認」について書きます。
否認にはメリットがある
ちょっと依存症の勉強をしたことがある人は、「否認」という言葉を聞いたことがあると思います。
しかし、その否認という言葉を、表面しか理解していない人も多いです。
否認というのは、本人にとってはとてつもないメリットがあります。
そう、自分が傷つかなくて済むんです。
否認しないと辛い
まず先に、おそらく否認を乗り越えたであろう、今の自分の心境を書きたいと思います。
「自分は性に無力だ」という言葉は界隈では有名ですが、そんなきれいごとではなくて、もう少し自虐的な心境です。
「自分は人間の失敗作」
「自分は社会にいてはいけない、排除された方がいい」
「自分は害である」
「いつスリップしてもおかしくない」
「条件がそろってしまったらスリップする」
「毎日が戦い」
そんな風に思ってます。
徹底的な自己否定です。
これは本当に辛いことです。
一方で、否認というのは、自分を励ましているんです。
「俺はまだ大丈夫」
「俺は回復できる」
そうやって、自分を保とうとしている。
自分を保とうとしてしまうのは、どうしても仕方のないことだと思います。本能的なことなのかなと思います。
否認している人がいても、私は指摘したりしませんし、無理もないとすら思います。本当に、否認を打ち砕くのは大変です。
しかし、しかし、そうやって自分の問題に向き合おうとしないのは、結果的にリラプス(再発)につながります。
ここまでのまとめ
- 回復に向かう状態は、「自分は無力」と理解した状態だが、それは自己否定で辛い。
- 否認の状態は、「自分は大丈夫」と自らを鼓舞する状態だが、回復には向かわない(再犯リスクが高い)。
次のページでは、すごくよくできているポスターを紹介したいと思います。
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