二種類の酒飲み

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「世の中には大きく分けて二種類の酒飲みがいる。ひとつは自分に何かをつけ加えるために酒を飲まなくてはならない人々であり、もうひとつは自分から何かを取り去るために酒を飲まなくてはならない人々だ。」

村上春樹「ドライブ・マイ・カー」

というセリフが村上春樹の「ドライブ・マイ・カー」という短編小説に出てくる。

たしかに、その通りだと思った。

何かを手に入れたくてやる行動よりも、現実逃避であったり、何かを取り去るための行動の方が依存しやすいと思う。

特に、それが、自分自身を失う行動、不幸になる行動、自傷的な行動のことが多い。

心の中に何かトラブルを抱えていると、人は自分自身を傷つけたくなるのかもしれない。

「バレたら大変なことになる」「これ以上いくとヤバい」

そういった局面が、なぜか魅力的に映ってしまうのが依存症の怖いところだ。

ちなみに、引用した「ドライブ・マイ・カー」という短編は、村上春樹の短編集「女のいない男たち」に収録されており、最近映画化されました。

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