天使と悪魔
依存症は、脳内の報酬系が依存対象に乗っ取られている状態です。
報酬系というのは、「快楽をつかさどる中脳の辺縁系」と「恐怖を司る扁桃体」からなります。
この報酬系が本能・欲望に関係しており、悪魔の声をささやきます。
いや、ささやくというより、大声で叫びます。
簡単に言うと、報酬系が「ドーパミンがたくさん出ること」を欲するので、その悪魔の声に従ってしまえば、ドーパミン中毒の状態になってしまいます(それが依存症です)。
一方で、理性(天使の声)を司るのが前頭葉です。
これは、「本当にやるべきこと」「本当はすべきではないこと」を判断します。
理性というのは、楽しいことや幸せなことに向かっていく人間らしさのことです。
合理的な判断もここで行われます。
この、前頭葉による天使の声は、人間らしさの源ですから、重要なのですが、とても小さい声で発せられます。
この前頭葉の声を聞くこと、つまり前頭葉を鍛えることが依存症治療の根幹となります。
次のページでは、依存症治療で直面する「不安」について書いています。
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