ハームリダクション

スポンサーリンク

薬物依存症の人たちに対して、違法でも罪には問わず、公衆衛生や経済、そして、薬物使用による健康への悪影響の軽減を重視した薬物依存への“寛容な政策”。

ハームリダクションの主な施策は、ヘロインと同じ効果があり効き目が長い鎮痛剤メタドンを投与する「メタドン維持療法」や、注射器の配布・交換注射室などユーザースペースの設置、医療・福祉相談などがあり、国ごとに採用している内容は違います。 

今では、ハームリダクションは世界の80以上の国や地域で政策の一部に取り入れられています。

ポルトガルでは2001年に、少量の違法薬物の所持・使用については刑罰を与えないとし、注射器の代わりに経口摂取できる薬物を処方するといった対応を始めました。その結果、薬物使用者数やHIV感染者数が減少しました。

カナダでは1997年くらいから、清潔で安全な注射器を配布する、『注射室』の活動が始まりました。そこでは安全な薬の使い方を指導します。この『注射室』の成果は、医学雑誌に発表されています。薬物の過剰摂取によって死亡する方が、開設して2年間で35%減少しています。不衛生な注射器を使うことによるHIVの新規感染者が1年間で84人減っています。それから、この『注射室』を使って薬を使う中で、薬物を辞めたいと考えるようになり、断薬のための治療につながった方が1年間で30%増えています。

日本は、取り締まりや捜査能力が高く、最初の1回目を防ぐ『乱用防止』に成功しています。日本の薬物政策自体が『ダメ。ゼッタイ。』で行われてきているので、使うことを前提としたハームリダクションは浸透していません。

コメント