性依存と他の依存症の最大の違いはどこか。
アルコールやギャンブルと性の問題は似て非なるものと思う。
被害者がいる
一つは性依存(人間関係依存やいわゆるセックス依存は除く)は被害者が出てしまうという問題が大きい。
ギャンブルやアルコールに至っては合法であり、被害者というものはいない。
違法薬物や違法賭博も違法ではあるものの、直接的な被害者はいない。困るのは本人と関係者だ。
一方で、性犯罪となると、同意を得ない相手の尊厳を犯してしまう最悪な行為だ。
性依存は他の依存に比べてスリップしたときの被害や代償が大きい。大きいというか、多くの人の人生を壊してしまう。
だから性依存はスリップの手前である渇望やマイルール違反などに慎重に対処する必要があると思う。
性欲について
もう一つは、性欲について。
アルコールやギャンブル、万引きなどは原始的な行為ではない。それらを欲するのは本能ではない。
一方で、性欲というのは本能だ。
だから、依存症の治療において、性を一切断つのが正解ではないような気がする。
適切な性欲と不適切な性欲に分けて考えるのがいいように思う。
マスターベーションをどうするのかとか、マスターベーションに用いるコンテンツはどのようにするのか(例えば問題行動に関連があるAVを見ても良いのかどうか)とか、正式なパートナーとの性行為をどうするのかとか、現実的な問題に向き合っていかないといけない。
不適切な部分は排除していかないといけない。
一方で、これは不適切だな、と思う部分が実は一番の嗜癖でやめたくない部分なのかもしれない(多分そうなんだと思う)。
ただ、間違いなく言えることは、性依存の治療が性を一切断つのではないことだ。ヒトはセックスして種を保存したいのであって、その自然の摂理に逆らってはいけない。パートナーと愛し合って、子供を作るという行為はどう考えても適切だ。
それ以外の性欲に関しては、主治医や信頼できる人とよく相談したらいいと思う。どうしてもコスプレセックスが好きで悩んでいても、パートナーが了承すればそれは問題にならないと思う。一方で、どうしても13歳以下の子供が性的対象なのであれば、それは法的にも生物学的にも不適切なので控えなければいけないと思う。
性依存は、性を0にすればいいという単純な問題ではないから難しい。性癖なんて誰もが少しは変わっているんだ。どこからが異常なのか判断も難しい。考え続けるしかない。
※依存症のどのタイプが重いとか軽いとか議論して、ご不快に思われる方がいたら申し訳なく思います。あくまで個人的な見解ととらえていただければ幸いです。
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