とても勉強になる本でした。
私は原田先生の本を読むのは2回目です。
前回読んだ『痴漢外来』もとても良い本でしたが、
今回の『あなたもきっと依存症』は内容がアップデートされているように感じました。この本は依存症全般に関する本です。(性的依存症というテーマで性依存症も扱われています)
個人的に面白かったのが、依存症の4つのモデルの話です。
- モラルモデル(刑事司法モデル)
- スピリチュアルモデル(12ステップモデル)
- 認知行動モデル
- 医療モデル(疾病モデル)
の4つに大別されるそうなんですね。
モラルモデルというのは、依存症は意志が弱い人がなる病気で、悪事をしたら罰するべしというスタンスです。
スピリチュアルモデルは、自助グループのことで、ハイヤーパワーをかりて回復を目指そうとする共同体のことです。
認知行動モデルは、認知行動療法を受けて、自分の認知・行動・ライフスタイルを変えていくことです。
医療モデルは、依存症という”病気”になってしまったのは、本人に責任はない、治療を受けて治せばいいという考え方で、非常に依存症者に寛容な考え方です。
これらを、バランスよく取り入れていくことが大切で、それぞれ長所短所があるから一つに固執するのは良くないというのが筆者の見解でした。
私は、このように依存症治療を俯瞰したことがなく、自助グループにも一回しかいったことがないので、本書で学べてよかったです。
他にも、「依存症は野良猫のようなもの」という表現が印象的でした。
依存症は、引き金(トリガー)を避けていけば、回復に近づき、トリガーを引いてしまえば、再発に近づきます。
ちょうど、エサを用意すると居ついてしまい、エサがないと離れていく野良猫のようだというわけです。
私も、似たような印象を持ったことがあります。
トリガーが渇望を呼び、イライラした日々を過ごしたこともありますが、
今は色々とやることが沢山あって充実しているので、トリガーも全く引かないですから、心も平穏です。
悪化するときはどんどん悪化し、平穏な時はとことん穏やか、そんなイメージがあります。
なるほど、野良猫みたいだな、と腑に落ちますね。
それでは今日はこの辺で。
よろしければ、この本読んでみてください。
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