『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』レビュー

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今回は、大ヒットした新書の『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』のレビューを書いていきたいと思います。

なぜ、この本をこのブログで扱うのか。

ビジネス書なので性依存とは関係がないじゃないか、という意見も聞こえてきそうですが、私はこの本から多くの気づきを得ることができました。

行動規範としての美意識

自分の生き方を”作品”としてとらえる。

この一行が、私がこの本から得られた気付きのすべてです。

人生を作品としてみると、「作品を作っている」「私はアーティスト」という感覚になってきます。

そうすると、良い・美しいという判断基準が自分の中であるはずなのです。

「これがクールな生き方なのだ」ということを提案していくような創造的態度で自分の人生を運営していくことこそが、美意識なのです。

依存症では、天使の声と悪魔の声がありますが、天使の声が自分の中に内在化している良い・美しいの判断基準なのです。

自分の人生を創っているという認識があれば、天使の声を採用できるのではないでしょうか。

誠実性

誠実性とは、自分の中にある判断基準に照らして判断をするということです。

一方で、一時の欲望に従ったり、快楽を優先したりすると、時には犯罪に手を染めてしまうこともあります。

悪とは、欲望や快楽を無批判に受け入れることなのです。

美意識が欠如していたり、達成動機が高すぎたりすると、グレーゾーンを踏み越えてしまい、非倫理的なことをしでかしてしまいます。

芸術性を鍛えて成功する

ノーベル賞受賞者は、一般人と比べて2.8倍も芸術的趣味を持っていたそうです。

医大生にアートトレーニングをさせると、56%も皮膚科の診療能力が向上したそうです。

成功した起業家は、失読症の割合が一般人と比べて4倍であり、失読ゆえの感性の高さがあったと思われます。

芸術に親しむことが、我々の感性を育み、理性一辺倒の強欲な人生になるのを防いでくれます。

私も昔習っていたピアノを再開したり、ふだんあまり読まない文学作品を読んでみたいと思いました。

さいごに

本書は、感性と直感が十分な時に優れた意思決定となることが多いと説きます。

他にも、どうしてオウム真理教は邪悪だったのか、オウム真理教と戦略系コンサルティング会社や新興ベンチャー企業の共通点は何か、などわかりやすく解説されています。

また、絵画を鑑賞して、自由な発想で意見を述べること、他人の発言に耳を傾けることが、パターン認識から逃れるトレーニングになるという話も面白かったです。

そして、論理的・理性的な情報処理というのは、画一的であり、他人と同じ正解を出すことになるため、”差別化の消失”を生ずるという指摘は痛烈でした。

是非、お時間ある方は読んでみてください。

とてもオススメの本です。

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