学習
私の中学生のころ、同級生に模擬試験で全国1位の子がいました。その彼は、運動部に所属していて、校内のマラソン大会も上位でした。話を聞くと、マスクをつけて低酸素状態にしてマラソンの練習を定期的に行っているとのことでした。
その時は、文武両道と思っただけでした。そして、”天は二物を与えず”ではなく、学力と運動能力がともに秀でていて羨ましく思ったりもしました。まさか、運動と学習が密接に関係しているなんて思ってもいませんでした。
今でははっきり言えます。勉強をできるようにしたければ「走れ」と。
以下、本書のちりばめられた知見です。
- 統計学的に、BMIと有酸素運動能力が学力と相関している
- 運動をすることで、間違えたときに一旦立ち止まり、次に間違えないようにする能力(エグゼクティブ・ファンクション)が高まる
- 刺激の多い環境に身を置くと脳重量が増える(ニューロンに新しい樹状突起が作られシナプスが増える、髄鞘が厚くなる)
- 運動で脳由来神経栄養因子(BDNF)が分泌される
- BDNFがあると、長期増強(LTP、ニューロンのつながりを強化する動的メカニズム)が促進
- 2007年のドイツの実験では、運動前より運動後の方が20%早く単語を覚えられた
- プレイグのマウス実験 走らせるとニューロン新生が促された。そして、プールの足場探しをさせると、上達が早かった(新生したニューロンに役割を与えたため)
- プレイグの実験から、運動してから勉強すると、新生したニューロンに仕事を与えることになり、学習効率が上がるということが判明
まとめると、運動すると脳が鍛えられるのです。
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