6月の下旬のことだが、彼女の実家に初めて挨拶に行ってきた。
実は私はそれが嫌だった。
なぜ嫌だったかというと、自分に自信がなかったからである。
犯罪者だし…逮捕は3回もされている。
彼女の実家でそれを言うつもりはなかったが、犯罪歴に由来する自信のなさは相当なものだった。
それとは別に、演技的に自分をよく見せてしまうくせもあるので、「(自分のことを)良く思われてしまうんだろうな」という思いもあった。なんだか気まずい。
本質的に自分は悪い人間なのに、見抜くことができないに違いないといったあきらめの気持ちだ。
彼女の実家に行く前に、精神科のミーティングでこれらの心情を吐露していた。
ベテランのメンバーさんからこのようなコメントをいただいていた。
「自分をいいように見せるなんて当然でしょ。当たり前のことなんだから気にしなくてもいいんだよ。それよりも、これからどう生きていくかの方が大事。もう犯罪を犯さなければいいんだし、実際にいい人間になってしまえばいいんだよ。」
当時は、苦笑いで「ありがとうございます」としか言えなかった。
いや、それ以上に、「この辛さが分かってたまるか」と心の中では拒絶していたと思う。
まさに、自己憐憫・不幸自慢の心境だった。
今では色々なことを考えられるようになった。
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