犯罪白書を読み解く② 性犯罪者の再犯率

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いつ再犯しているか(再犯期間)

性犯罪再犯があった者について,再犯が可能となった日から再犯までの期間を類型別に見ると,6-4-4-5図のとおりです。

再犯が可能となった日から再犯までの期間というのは、執行猶予者については調査対象事件の裁判確定日から,懲役刑となり刑務所に入ってから出所した受刑者については刑事施設を出所した日から,それぞれ最初の性犯罪再犯の犯行日までの日数ということです。

図の見方ですが、

具体的には,性犯罪者類型ごとに,再犯期間の短い者から順に左から並べ,

  • 全体の4分の1番目に当たる者の再犯期間がオレンジ色の箱の左端
  • 真ん中に当たる者の再犯期間がオレンジ色の箱の中の太線
  • 4分の3番目に当たる者の再犯期間がオレンジ色の箱の右端

で示されています。

オレンジ色の箱の中には全体の約半数の者が含まれます。

痴漢型の再犯期間は非常に短く,287日時点で半数の者が性犯罪再犯に及んでいます。

他の性犯罪者類型では,半数の者が性犯罪再犯に及ぶまでに500日程度が経過しています。

痴漢だけが早期に再犯してしまう傾向にありました。

どうして、痴漢だけは再犯が早いのでしょうか?

個人的には、痴漢は季節を問わないということも要因としてありそうです。

強制わいせつ、盗撮などは、女性が薄着である夏に多く発生します。

一方で、痴漢の場合は、根本的な原因が満員電車にありますから、一年中起きるのが特徴です。

そのあたりの違いが、再犯期間に影響しているのではないかと思います。

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