私も司会(?)として参加させていただいている依存症家族会は、ラインのオープンチャット機能を使い、皆さん積極的に意見交換されています。
それぞれ、皆さんが(自分を含めて)成長しているし、前を向いているグループだと思っています。
そんな中、今回、BANDというアプリを使ってオンラインミーティングが実現しました。
個人を特定するような感想文は書けませんが、プライバシーに配慮して、感想を綴りたいと思います。
感想というか、考えた内容といった方がいいかもしれません。
とにかく、とても考えさせられるオンラインミーティングでした。(ミーティング中はとても色々な考えが浮かんできました)
それでは、始めていきます。
相手(当事者)を肯定するか否定するか
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当事者を肯定するか否定するかというのは、全く正反対のことです。
しかしながら、現実には肯定するか否定するかしか選ばなければいけない場面も多いと思います。
その2択において、一歩間違えば、状況が悪くなってしまうということもあるでしょう。
そのあたりのことを書きたいと思います。
否認真っただ中のケース
まずは、当事者が否認の真っただ中のケースでは、ご家族は当事者を否定して欲しいなと思います。
この辺りがグズグズになってしまうと、依存症治療にもメリハリがつきません。
きっぱりと相手を否定するというのは、切り捨てる感じで抵抗があるかもしれませんが、
「あなたが嫌い、別れる」
というのではなくて、あくまで、
「〇〇がやめられないあなたが嫌い、〇〇をし続けるのであれば別れる」
と伝えれば、自分も相手も納得しやすい「否定」となるのではないかと思います。
相手を否定する勇気。
これが求められていると思います。
否認を乗り越えた後
否認を乗り越えた後、これもまた厄介です。
当事者と家族で現状の認識が異なっていると辛い状況だと思います。
私の感じた率直な意見ですが、当事者と家族に現状の認識の差異が、当事者・ご家族の満足度だったり幸福度と密接に関わっていると感じます。
例えば、当事者は「今のままで順調」「今のままでギリギリセーフ」と思っているけれども、ご家族は「このままいくとヤバいんじゃないか」と考えている場合などです。
当事者は楽観的、ご家族は悲観的といってもいいかもしれません。
こんな場合は、お互いがお互いの不満を抱き続けているなんてことにもなりかねません。
私は、どちらの立場も納得します。
当事者であれば、「現状がまずい」と捉えることは、変化をしなければいけない厳しい環境に身を置くことになりますので、「今のままで大丈夫」「なんとかなる」と自分に言い聞かせたいのかもしれません。「すでに頑張っている」と自分の努力に満足してしまっている場合もあるかもしれません。
一方で、ご家族は不安です。「また、再び悪いことが起こるんじゃないか」と不安でたまらないでしょう。それも危機を回避したいという当然の感情だと思います。当事者に対して、怒りや悲しみが襲ってくることもあると思います。
認識の差異を埋めるためには、お互いが相手の考えを理解するというのが欠かせないと思います。
逆に、「自分は正しいのに、どうしてあの人は言うことをきいてくれないんだろう」と思ってしまえば、認識の差異は埋まるどころか広がってしまいかねません。
相手を肯定する勇気。
これが、求められると思うのです。
私は、相手を肯定できないのは己の弱さだと思っています。
当事者であれば、「ただ、一人で外出するだけでも、家族は不安に思うだろうな。目的地と帰宅時間の目安を事前に伝えよう」とか、「外出中は、途中経過をラインしよう」などと相手への配慮が求められていると思います。
逆に、「信用してくれよ」などと、自分の考えを押し付けてしまうとうまくいかないことが多いのではないでしょうか。
家族であれば、「本人は、ここはできているから注目してあげよう」とか、相手への正の注目が求められていると思います。
逆に、「ここができていない」などと、負の注目をしてしまうと、うまくいかないことが多いのではないかと思います。
小まとめ
ご家族にあれもこれも要求してしまうのは、申し訳ないのですが、
ぜひ、当事者の状況によって、肯定するか否定するかをメリハリをつけて接していただければなと思います。
すでに、このブログを読もうと検索してきてくれている方や、お気に入り登録してくれている方(いるかわかりませんが💦)はそれだけ、熱心に状況をよくしたいと思っている方だと思います。
是非、コミュニケーションにも目を向けていただき、幸せになってほしいと思います。
相手を否定する勇気・相手を肯定する勇気
この辺りがキーになるのではないか、と考えています。
いきなり、コミュニケーションで何かを変えていくというのも難しいと思いますので、
心の中で、そっと、相手を否定する勇気や肯定する勇気を抱いてみることから始められるのもいいかもしれません。
ゆっくりと、ちょっとずつ前を向いて進んでいってほしいです。
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