死人のルール

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依存症治療の行動療法において、ルールを設定することになる。

たとえば、アルコール依存症であれば、「居酒屋の前を通らない」とか。

しかし、「○○しない」というルールは死人でもできてしまうルールなので、「死人のルール」と呼ばれている。

死人にもできることは行動ではないという観点から、死人のルールはよくないルール設定といわれる。

死人のルールを増やしていけばいくほど、何もすることのない人生(≒死人)に向かって行ってしまうということだ。

あとは、〇〇しないという目標を設定すると、逆に○○のことばかりを考えてしまうシロクマ実験の皮肉過程理論というのもある。

まとめると、死人のルールを作らない方がいいということだ。

じゃあどうするかというと、「○○する」というルール設定になるのだが、これが実に難しい。

コツは、意外と、依存症と関係のないことをルールにするということだ。

毎日ジョギングをする

毎日同じ時間にお風呂にはいる

毎週デイケアプログラムに参加する

毎日5分は部屋の掃除をする

など。

これらは、自分の生活を安定させ、危険な状況に流れていかないようにつなぎとめる効果がある。

もちろん、「居酒屋の前を通らない」という死人のルールをやめて、「郵便局の前を通って帰る」というようなルールの言い換えも大切だ。

そもそも、「○○しない」という目標は終わりがないし、一生かけた取り組みになってしまう。

「(一生涯)居酒屋の前を通らない」という死人のルールは、達成することが不可能(達成するためには、一生をかけなければいけない)なのに対して、「郵便局の前を通って帰る」という目標は、その日に達成が可能なので、達成した喜びを味わえる。

こういう風に上手に言い換えができれば、治療もすんなりといくだろう。

ちなみに、個人的には道具(ツール)、場所(プレイス)、に関するルールは死人のルールでもいいと思っている。

これを持たない、ここに行かない、というルールは死人のルールになっても仕方がない。

道具と場所に関しては、回避目標になるわけだから。

一生かけて、その回避目標を守るという意気込みで、堂々と死人のルールを設定すべきだろう。

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