ところで、人間万事塞翁が馬という故事成語があります。
昔、中国北方の塞(とりで)近くに住む占いの巧みな老人(塞翁)がいました。
彼の馬が、胡の地方に逃げ、人々が気の毒がると、
老人は「そのうちに福が来る」と言いました。
やがて、その馬は胡の駿馬を連れて戻ってきました。
人々が祝うと、今度は「これは不幸の元になるだろう」と言いました。
すると胡の馬に乗った老人の息子は、落馬して足の骨を折ってしまいました。
人々がそれを見舞うと、老人は「これが幸福の基になるだろう」と言いました。
一年後、胡軍が攻め込んできて戦争となり若者たちはほとんどが戦死しました。
しかし足を折った老人の息子は、兵役を免れたため、戦死しなくて済んだのです。
結局は、幸不幸は後から振り返らないと決められないのです。
その時には、幸不幸の判断は不可能なのです。
アップル創業者のジョブズも、 2005年スタンフォード大学卒業式辞で似たようなことを語っています。
先を見通して点をつなぐことはできない。
振り返ってつなぐことしかできない。
だから将来何らかの形で点がつながると信じることだ。
何かを信じ続けることだ。
直感、運命、人生、カルマ、その他何でも。
この手法が私を裏切ったことは一度もなく、
そして私の人生に大きな違いをもたらした。
(Steve Jobs 2005年スタンフォード大学卒業式辞から抜粋)
後から振り返ると、過去の関係のなかったような経験がつながり、人生に意味をもたらしてくれることがあるということです。
塞翁が馬という故事成語とジョブズの講演に共通するのは、
- その時は分からない
- 振り返れば分かる
ということだと思います。
じゃあ、我々は今この瞬間にどうすべきかは分からないし、決断する材料もなく、ただ 直感・運・ご縁 にゆだねて、ふわふわとクラゲのように漂って生きていけばいいのかというと、それも違うと思います。
懸命に生きる。
つまり、自分の選んだ道を、その瞬間瞬間に全身全霊を込めて進んでいくこと。
これが一番大切なことなんだと考えます。
熱く語ってしまいました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
そういえば、昔にジョブズの講演についてのブログを書いていました。
お時間あれば、読んでみてください。
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