最近は、「鍛錬」をしていると伺った。
「鍛錬とは具体的に何をしているんですか?」と私は聞いた。
「こんな感じですよ」とデモンストレーションしてくれた。
自身の右腕を対象に向けて突き出し、手関節から先を四方八方に振る動作をしていた。目線はどこか空間の一点を見つめていた。何かを見透かすような、探索するような、不思議な目をしていた。その目がなによりも印象的だった。
その鍛錬の詳しい内容や意味は私にはわからなかった。私には認識することができない。否定するつもりはない。彼は彼で真剣に取り組んでいるし、それを私がとやかく言うことは何もない。ただただ、私には認識することができないのだ。
兎にも角にも、彼はその「鍛錬」という一見するとスピリチュアルや武道とも通ずる営みに傾倒しているのだ。
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