自己憐憫の目的
自己憐憫の目的ですが、以下の3点があります。
- 原因を外的に帰属させる
- 他人の注目を引く
- 孤独になって自分を落ちつける
まず、原因を外的に帰属させることがあげられます。原因が外的なものであると考えると人は安心するものです。たとえば、いじめられている小学生が「自分の人柄が優れていないからいじめられているんだ」と考えることは珍しいです。自分自身に原因があると認めると辛くなってしまいます。「自分は帰国子女だからいじめられているんだ」とか「自分は太っているからいじめられているんだ」などと自分自身の本質(性格)に原因があるのではなく、自分の属性や特徴に原因を求めてしまいます。こうすることで楽になるのです。
他にも、「私はこんなに辛い」と表出することで、他人の注目を引くことを目的とすることもあります。不幸であるという点で他者よりも優位に立っているという優越感に浸るのです。この不幸自慢は日常でも多く見かけます。「こんな酷いことがあった」という発言は、深層心理では優越感に浸りたい自慢話なのです。
他には、孤独になりたいという心理も隠れています。他人と比較すると、自分の不幸が際立ってしまいますから辛くなるのです。そこで、自己憐憫を抱いて他者に対して常に不満状態となることで自分を孤立させます。孤立することで自分を落ち着けようとしているのです。
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