「今」vs「将来」
長期的視点というのは「今を犠牲にして将来を大切にしている」から、「今を大切にしろ」という原則とは矛盾しているように見えます。
どう考えたらいいのでしょうか。
ジョン・ステュアート・ミルが提唱した功利主義というのがヒントを与えてくれます。
功利主義というのは”現金”な哲学です。
人は2つの快楽があるときにより高級な快楽を選ぶという単純なものです。
ダイエットを例にとれば、”食べる快”と”自分との約束が守れた自信”を戦わせると、人間は高級な快楽、つまり自分との約束が守れた自信を選ぶというのです。
つまり、長期的視点で何かを我慢することは自己実現なのです。その行為自体が高級な快楽であり、「今」に集中しています。
我慢というのは「今」を蔑ろにする行為ではなくて、「今」自分のやりたいことに向かって努力しているという自己実現の真っ最中であり、「今」を大切にしているのです。
ボディビルダーが、出場予定であった大会が中止になったら、好きなものを食べてだらしない体に豹変するでしょうか?きっとそうはなりません。鍛え上げられたたくましい体になるというのが自己実現なのですから。
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