3つの罠
- コミュニケーション不全
- 相手の悪いところが目につきやすい
- 課題の分離とイネイブリング
という依存症の治療導入を阻む3つの罠について紹介します。
コミュニケーション不全
コーチングにしろ依存症にしろ陥りがちな罠として、コミュニケーション不全があります。
これは、課題を持つものと支援者が、会話しているようで会話になっていないという状況を指します。具体的には、支援者が相手の立場に立って問題を考えられない、問題を相手と共通の問題として捉えられない状況です。
先ほどのバッターの例では、「ヒットが打てない」という悩みの背景には、ヒットを打ちたいのに打ち方が分からないという問題が隠れています。
それを見抜こうともせずに、「ヒットを打て」という謎の正論を言ってみたり、「根性の入れ方はこうだ!」と根性に原因を求めたりすると、もう会話が成り立っていません。
正しい対応は、「どうしてヒットが打てないのだろう」と一緒に考えることです。相手の問題を自分と相手の共通の課題とし、解決していくことが必要だと思います。
「盗撮をしてしまう」という人が悩んでいるときに、「もう盗撮は絶対にするな」と言っても意味がないということです。「どうして盗撮してしまったんだろうね」と一緒に考えることが大切なのです。一緒に話し合って、折り合いをつけて行ったり、妥協点を探るのが会話だと思います。
「暇なときに盗撮をしてしまいたくなるんだね。そうしたら、暇な時間を減らせるように、一緒に趣味をつくっていこうか。カラオケ、映画、漫画喫茶、ジョギングなどはじめてみよう」とか、「ドキドキ体験がやめられなかったんだと思うんだね。そうしたら、似たようなドキドキすることを見つけていくのはどうかな。富士急ハイランドに行ってみる?高いつり橋とか、バンジージャンプもよさそうだね。将来的には登山にチャレンジしてもいいかもしれないね」などと会話できたら素敵ですね。