脳の”無意識”を鍛えて依存症に克つ

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無意識は感覚に左右される

ではいったい無意識は何の影響を受けているのでしょうか。

自動車購入の場面では、硬い椅子に座った顧客は価格交渉を強硬な姿勢で行ったのに対して、ソファに座った顧客はそこまで値下げを要求しなかったという模擬実験の結果があります。やわらかな感覚は、気持ちまでやわらかにするのです

他にも、アイスコーヒーを持っている人とホットコーヒーを持っている人がいると、前者は怒りっぽい・利己的という風に他人から判断されやすく、後者は穏やか・親切と判断されやすいそうです。温度の感覚が、無意識のうちに、その人物評価に影響を与えているのです

被験者に他人の履歴書を確認してもらうという実験では、履歴書が重いクリップではさまれて渡されると、被験者は真剣に読んで応募者の能力を高いと評価しました。一方で、紙のまま渡された場合は、あまり真剣に読まずに能力を低いと評価しました。重さの感覚が、履歴書の評価に影響を与えているのです

このように、無意識は感覚に左右されています。この効果をうまく使うことはできないでしょうか。

残念ながら、目から入ってきてしまう視覚情報を全てコントロールできないことからも分かるの通り、感覚を全て理想的に調整することは困難です。

しかし、ある程度は外部からの刺激はコントロールすることができます。暗い場所では良からぬ考えが湧いてくるという人は夜間の外出を控えたらいいでしょう。音楽を聴いている時は問題行動しにくいという人は、音楽を聴く時間を増やしたらいいかもしれません。

自身の失敗体験をよく内省して、特定の刺激を避ける、あるいは特定の刺激を増やす、というのが一つの解決策かもしれません。

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