アンビバレンス
なぜこんなことに考えを巡らせたのかというと、彼女の気持ちを考えたからだ。私はとてつもない問題行動を起こして警察沙汰になったのに、彼女は一緒にいてくれている。行動としては単純で、「一緒にいてくれている」のだ。
行動から彼女の感情を類推すると、「彼女は私のことが好き」となる。しかし、本当にそれでいいのだろうか?
きっと、事実は異なる。私のことが好きという感情以外にも、憎しみ、怒りなどといった感情もあるに違いない。いくつもの感情がごちゃごちゃに混じっている。そんな中で、怒り、憎しみ、好意を同時に表現することは不可能に近い。同時に相反する行動をとるのは難しい。それは一貫性がなく、論理的にも破綻してしまう。だから、彼女の中で「好き」という感情を採用して、他の感情は無意識に抑圧して、行動としては「一緒にいてくれている」のだろうと思う。
このように、ある対象に対して相反する感情を抱くことをアンビバレンスという。2つの感情のうち、一方が無意識下に抑圧されて、その抑圧された感情が、人の行動に様々な影響を与える。この状態が度を超えてしまうと、葛藤状態となり、病気の原因となることもあるようだ。
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