依存症者が陥る「否認」を9つの例と共に解説 正体は心理的な防衛機能

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⑨(好きな人に告白する前に)「赤面症で困っています」

ある女性が好きな人の前では顔が赤くなってしまうことに悩んでいました。

もちろん、本人はそう思い込んでいて、その解釈は本人にとっては真実です。実際に赤面症があるかもしれません。

しかし、真実は「告白してフラれたときの言い訳にしたい」という心理であり、ともすると「このまま告白しても失敗しそうだ」と本人が無意識に分かっていることが多いのです。

なぜなら、告白してうまくいく自信があれば、彼の前で顔が赤くなってしまうという現象があったとしても、それを病気と思って病院に行くことはないからです。

【本題】「俺はまだ依存症じゃない」

いよいよ本題です。

「俺はまだ依存症じゃない」というのは本人にとって真実です。

実際にそのように解釈しているのです。

しかし、真実は「依存症かどうか」と脳裏によぎる時点で、立派な依存症であることが多いです。無意識に、「自分で自分のことがコントロールできなくなりつつある」という自覚があるものです。

この考え方の背景には、「依存症は意志の弱い人間がなる」「依存症は快楽を追求するだらしない人間がなる」といった誤解が潜んでいることが多いです。

「自分はそんな人間じゃない」と反発するあまり、心理的な防衛機制の一種として否認が発動し、「俺はまだ依存症じゃない」という発言が出てくるのです。

否認を解くためには、「依存症は誰でもかかってしまう病気です」「依存症は弱い人間がなる病気ではありません」という正しい知識と、「自分は依存症の嗜癖に無力である」という認識が必要です。

そのような理解までたどり着くことができれば、もう否認のような心理的な防衛機制を必要としなくなるのです。

まとめ

  • 否認は本人にとっては真実である
  • 否認は無意識に「筋の通っていそうな因果関係」を捏造してしまうことである
  • 否認は無意識に「できない理由」を捏造してしまうことである
  • 否認の裏には本人が隠したいと思っている無意識が隠れている
  • 否認は心理的な防衛機制の一種

否認は依存症患者のみならず、一般的に広く使われている概念だと思います。

皆さんの周り、あるいは自分が使っていないかもチェックしてみてください。

ただし、自分で自分の否認を見抜くのは一筋縄ではいきません。

自分にとって、否認は真実ですから。

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